『あの日、本当は立川くんからBabyDollの事を聞いたんだ』
【愛されてんだ、立川くんに】
そうか。
やっぱりあれは、ごまかしだったのか……
わかってた事だから、ショックではないけど。
でも、十和に全てがバレていたと思うと、少し嫌な気分だ。
『だからほら、名前わかんないけど、女の子頼ってアユの事探ろうとした』
全てが噛み合う。
【自分の事話せないくせに、アユの事ばかり知りたがる】
あの日、幸成はそれを言ったんだ。
『どう思った? 私の事』
自分でも汚いと思ってる。
もう恋愛なんて出来るような人間じゃない。
誰かに愛してもらえるなんて到底できっこないもの。
十和だって、きっと……
『別に? アユに対して、何か思った事はないよ?』
『え?』
『ただ、ものすごく悔しかった』
悔し……い?
十和が、そんなふうに?
『アユが好きでやってる事じゃないなら、俺…… アユを連れて帰るつもりだったんだ』
もしかして、あの日?
あの、奈美に会った日の事?
私が十和に「抱いて」とせがんだ日……
『ごめん……ッ ごめんなさい』
ああ。
なんて馬鹿なんだろう、私は。
十和がそんなふうに思ってくれていたのに。
全て、自分で駄目にした。
『ねぇ、アユ。 聞いていい?』
十和は真っ直ぐに私を見て、静かに口を開く。
駄目だ。
私は、あんたのそうゆう顔に弱いんだってば。
『アユは、この仕事をずっと続けたいの?』
嘘を、つけなくなる……

