休みは合計7日。
そのうち十和と会ったのは、あの日だけ。
メールは2回。
電話は1回もない。
それとは一切関係ないだろうけど、朝から苛々が治まらなかった。
『おはようございます』
黒色セダンがアパートの前に止まる。
それだけで艶(ツヤ)のあるボディーを蹴ってやりたくなった。
それを運転する幸成にも殴り掛かってしまいそうな程。
生理だったからかな。
どうしても気分が優(スグ)れない。
何日も続く雨の日の憂鬱(ユウウツ)に似ている。
『休みはどうでした? 疲れとれました?』
バックミラー越しに言う幸成に、溜め息が出る。
休みなんか毎日ゴロゴロしてた。
余計に疲れた気もするし、全然楽しくなかった。
でも仕事よりはマシか、なんて思ったり。
なんてつまらない人生なんだろう。
『普通にしてたよ。 特にした事もないし』
窓の外を見ながら言うと、微かにクスクスと笑う声がした。
『ずっと思ってたんすけど、生きてて楽しいっすか?』
……は?
何でそんな事言われなきゃいけないの?
『ものすごいつまらなさそうな目ぇしてますよね』
それはあんだだよ、幸成。
つまらなそうな、死んだ目をしてる。
それが、あんたの第一印象だし、今もよく見る。
『ま、俺もよく言われるんすけどね』
なんだ。
自分で解ってんじゃん。
何だか拍子抜けしてしまって、張り詰めていた緊張を解した。
幸成の事は相変わらず苦手だ。
自分勝手で傲慢(ゴウマン)で、
何を考えているのか解らない。
だけどそれは、他人から見た私かも知れない。
冷たくて自分勝手で……
幸成は自分に似ている。
最近よく、そう思うようになってきた。

