ピンク、青、水色、黄緑、黄色、赤、紫。
本当に7色なのか、十和と数えてみた。
7色は確実にある。
でも7色より、もっと沢山の色があるような気がする。
砂浜から伸び、空に掛かるアーチは、先を見せずに海へ消える。
海の中に潜ったのか、海面で途切れたのか、どちらなのか気になった。
『この虹、俺達以外に誰か見てるかなぁ』
ポツリと呟くように十和が言う。
決して大きいとは言えない虹。
辺りには人影もない。
『私達だけかも』
私達のために出た虹と、錯覚までしてしまいそう。
『他の誰も見てない虹を、男女2人だけで見る事が出来たら』
『何それ』
『ジンクス。 俺の高校の女子が騒いでたなーって』
少し照れ臭そうな笑顔は、
何だか新鮮で可愛いと思ってしまった。
『それで?』
別にジンクスが気になるわけじゃないけど。
十和の通っていた高校の話が少し聞きたかった。
『終わる事ない恋愛ができるんだって。 永久に冷めない幸せな恋愛』
永久に冷めない……?
そんな恋愛は無い。
だってあんなに仲良かったママ達だって駄目だったんだもん。
たかが虹を見たくらいじゃ何も変わらない。
『ねぇ、俺達以外に誰か見てるかな』
伺うように私の顔を覗き込み、また同じ質問。
応えを求めてる。
私の気持ちを探ってるんだ。
『見てるよ。 虹って珍しいから皆見てると思う』
私に恋愛を望まないで。
きっと、期待に応えられない。
私は、いつか十和の重荷になる。
『誰がが見てたとしても、俺は冷めないけどね』
真っ直ぐに私の目を見る十和が、重くて苦しくて……
でも鼓動が落ち着かない。
さっき触れた唇の感触を、鮮明に思い出してしまった。

