空色(全242話)


ピンク、青、水色、黄緑、黄色、赤、紫。

本当に7色なのか、十和と数えてみた。

7色は確実にある。
でも7色より、もっと沢山の色があるような気がする。

砂浜から伸び、空に掛かるアーチは、先を見せずに海へ消える。
海の中に潜ったのか、海面で途切れたのか、どちらなのか気になった。

『この虹、俺達以外に誰か見てるかなぁ』

ポツリと呟くように十和が言う。

決して大きいとは言えない虹。
辺りには人影もない。

『私達だけかも』

私達のために出た虹と、錯覚までしてしまいそう。

『他の誰も見てない虹を、男女2人だけで見る事が出来たら』

『何それ』

『ジンクス。 俺の高校の女子が騒いでたなーって』

少し照れ臭そうな笑顔は、
何だか新鮮で可愛いと思ってしまった。

『それで?』

別にジンクスが気になるわけじゃないけど。
十和の通っていた高校の話が少し聞きたかった。

『終わる事ない恋愛ができるんだって。 永久に冷めない幸せな恋愛』

永久に冷めない……?
そんな恋愛は無い。

だってあんなに仲良かったママ達だって駄目だったんだもん。
たかが虹を見たくらいじゃ何も変わらない。

『ねぇ、俺達以外に誰か見てるかな』

伺うように私の顔を覗き込み、また同じ質問。

応えを求めてる。
私の気持ちを探ってるんだ。

『見てるよ。 虹って珍しいから皆見てると思う』

私に恋愛を望まないで。
きっと、期待に応えられない。

私は、いつか十和の重荷になる。

『誰がが見てたとしても、俺は冷めないけどね』

真っ直ぐに私の目を見る十和が、重くて苦しくて……
でも鼓動が落ち着かない。

さっき触れた唇の感触を、鮮明に思い出してしまった。