触れられた所が熱く、体全体で十和を感じる。
こんな事は初めてで、どうしていいかわからない。
『ごめんって、そんな怒んないでよ』
苦笑しながら私を地面に返す十和。
平然と笑うその姿に少し苛立ちを感じながら、乱れた衣服を整えた。
私だけが動揺してる。
その事実が、無性に腹立たしかった。
と言っても、このヒールじゃ歩きづらいし、
いっそのこと脱いでしまったら楽になるかも。
『アユ、おいで』
足元を何とかしようと試行錯誤する私に、手が差し延べられる。
不信に思いながらも手を伸ばすと、そのまま十和の腕へ絡めるように誘導された。
『こっちのがマシだろ?』
マシって言うか……
さっきと変わらないくらい、心臓がバクバクいってるよ。
『き、緊張する…… こういうのした事ないから』
でも、嫌じゃない。
『アユ可愛ー……』
フハッと笑われ、ハッと我に返る。
何言ってんの私。
客とセックスしてんじゃん。
キスだって腕組みだって、
ううん、それ以上だってしてるじゃないの。
今更こんな事で緊張する事ないんだよ。
『ほんと可愛いから、俺、アユにマジになっちゃうかもよ?』
『……馬鹿』
冗談か本気かわかんない。
ってか「マジになるかも」って何?
マジになってよ。
本気で告白してよ。
『……え?』
『ん? どうした?』
私……
今、何を思った?

