全て人のせいにしてきた。
不幸なのは父のせい。
こうなったのは、今まで会った人間達が悪い。
いつだって、そう思ってきた。
今だって、私をBabyDollに連れてきた藤原が悪いって思ってる。
どうして十和のように前向きになれなかったんだろう。
前向きになれたなら、何か変わったかな……
『ご到着~』
踏み込んだパーキングブレーキがギギッと音を起てる。
窓は軽くスモークがかかっていて、残念ながら景色は鮮やかに見えない。
早く見たい。
早く降りたい。
『降りていいよ? 待ちきれない顔してる』
十和はクスッと笑うと、ドアロックを解除してくれた。
『う……わぁッ』
辺り一面、スカイブルー。
光のカーテンのかかった海はキラキラと輝いていた。
『上も下も……空みたい!』
凄い。
こんな綺麗な場所、他にないよ。
『休憩所まで歩く?』
『休憩所?』
『夏は海の家で賑やかいんだけど、今は無人なんだ』
海の家、か。
昔、家族で行った海にもあったな。
賑やかで白い砂浜に似合う、ブルーの建物。
「また来ようね」とパパと約束したっけ……
『ね、行こう?』
にっこりと微笑む十和につられ、砂浜に足を踏み入れた。
『あッ』
しまった。
ピンヒールが砂に刺さって、
『大丈夫? ごめん、ヒールあるの知らなくて』
ううん、私が悪い。
行き先が海だと知っていたのに、こんな靴を履いてきてしまったから。
『大丈夫だから』
申し訳なさそうに手を差し延べる十和にそう言って、体勢を直す。
と、その時だった。
『きゃあッ!!』
十和の力強い腕に抱き上げられたのは……
『ちょッ 何して!』
『休憩所まで連れてってあげる。 歩けないだろ?』
そ、そんな平然と!?
『べ、別に平気だってば。 ってかそんな事されても困る!』
顔が熱くて、体も熱くて。
心臓だって何だか落ち着きないんだもの。
『早く下ろしてってば』
セックスより緊張するなんて、
有り得ない……

