「そ、そうだよね、陰口だけじゃいじめじゃないよね…」
「うん。ていうか、陰口なんて誰でも言うでしょ?言わない方が、明らかにおかしいって!」

『陰口なんて誰でも言う』という言葉が、元から積もっていた私の怒りに火をつけた。
ついには我慢出来なくなって、ついに彼女達の方を睨みつけた。

絵里花は私の視線に気づいたようで、こちらを向きながら少し気まずそうな顔をしている。
対して亜沙は、全くと言っていいほど絵里花の表情にも私の視線にも気づいていない。
髪を指でクルクルと巻いているだけだ。

そんな亜沙の態度も、私の怒りを余計に燃え上がらせた。