あたたかな午後の日差しが注ぐ公園のベンチ。

そこに、一人の男が腰を下ろし、厳しい視線を目の前に向けていた。

「なぜなんだ?!」

よく晴れた公園に男の大声が響き、近くにいた親子連れが驚いたように振り返る。

しかし、声を発した当の本人は周りのことなど目に入らない様子で、目の前にいる彼女に向けて大声を上げる。

「僕がこんなに君を愛しているのに、君は一体、何が不満だっていうんだ?!」

言葉なく見つめる彼女に、男は更に興奮した様子で立ち上がって言い募る。

「確かに、ここのところ仕事が忙しくて、君と会う時間が減っていたとは思う。こうやって君に会いに来ることもできない日もあった……だけど、俺なりに誠意は尽くしてきたつもりだ!」

自分の中で膨れ上がる感情を抑えるように、うつむく男。

「それなのに…………君は……君は……あんな若い男とっ!」