私は、ブレスレットを見つめる。




他の人から見たら、なんてことの無い玩具のブレスレット。




彼は、もうこの世界には居ない。




このブレスレットは、長年私の胸元にあったペンダントと引き換えに、私の手に戻ってきた。


でも、幼い自分はここには居ない。



ブレスレットは、私の手首に嵌るはずがない。





もう一度、あの少年に会いたい。




私の、そんな夢が叶った。



でも、叶ったと同時にそれは、別れをも意味していた。



彼は、この世界の人では無いから。



そんなの、出会った時から知っていた。

あの日の放課後・・・私は、大切なペンダントを守る事だけを考えてた。


坂上君に見つめられた私は、動けなかった。