私達は、教室へと向かった。

「やったね!!志帆と一緒になれた!」
「ホントね」

私達は、同じクラスになれたことに、喜んでいた。

キーンコーンカーンコーン

「席に着けー」

担任が入ってきた事で、クラスメイトは一斉に着席する。

「今日から新学期、新学年が始まるんだが、その前に編入生を紹介しよう」

ガラッ

扉を開けて入ってきたのは、長身の男子だった。

(イケメン・・・。)

私は思わず見入ってしまった。
真っ黒のサラサラした髪は、蛍光灯の光を反射させている。

長身のモデルのような体型に、2重の瞳は、きっと笑うと誰もが虜になるだろう。

スッとした鼻筋に、形の良い唇。

芸能人なの???

クラスの女子全員の目を釘付けにした彼は言った。

「坂上 冬也(さかがみ とうや)です。」

彼は、一言名前だけを口にした。

その声も、また素敵だった。

「お・・・おう・・・それだけか?」

「はい、いつまで居られるか分からないので、充分です。」

「そ・・・そうか?えっと・・・坂上君は父親の仕事の都合で全国を飛び回っているそうで、このクラスにも、いつまでいられるか分からないそうだ。

だが皆、仲良く頼むよ?」

担任はそういうと、さっそくホームルームを始めた。