そして、目の前には緊張しっぱなしの青木さんの姿。

「そんなに硬くならないでよ?」
「・・・あの・・・坂上君って、もっと怖い感じなのかと思ってました・・・。」


僕は、青木さんの緊張をほぐす為に10分ほど世間話しをする。

さて、そろそろ良いかな?


「ね?青木さんは、緑の石って見たことある?」
「え?緑の石?ですか?エメラルドとか・・・宝石のことですか?」


「じゃあ・・・コレに見覚えは?」
「何ですか?子供用のブレスレット?玩具?」

僕は、少女から手渡されたあのブレスレットを青木さんに見せる。
このブレスレットは、僕のとても大切な物になっている。


どうやら記憶には無いみたい・・・。

僕は、青木さんに手をかざすと気を送る。

何も起こらない。

ダメか・・・彼女も違う。

「な・・・なんですか?」
「ううん・・・なんでもない。じゃあ俺は帰るわ。コーヒーに付き合ってくれてありがとう。」

僕は、青木さんのお茶代と一緒にお金を置くと店をあとにした。


次のターゲットのバイトがそろそろ終わる時間。

僕は、こうしてたった一人の少女を探す。
もちろん合間に仕事の連絡も入るから、ホント大変なんだから!