楽しげな夢花と違って、私の心は何故かズキズキした。

そして思い出されるのは、彼の優しい表情。

あの表情が、幼い頃に出会った彼の表情にそっくりだったのだ。

まさか、そんなことがある筈ないのに。

「でも、あのクール王子に誘われた子も可哀相・・・ファンクラブから目をつけられるし、クール王子から次に誘われるかどうかも分からない。

逆に誘った子もいるらしいけど、ことごとく冷たく断られているみたい。」

「夢花が誘われたらどうするの?」

私の問いに一瞬キョトンとするが、吹き出した。

「キャハハハハ!ヤダ!志帆ったら!大丈夫よ!断るから。志帆こそ誘われるといいね?」
「え?私が!?私が誘われるわけがないじゃん!」

そう、私はとっくに候補から外れてるんだよ。

家まで行って、秘密まで知ってしまっている私を誘うことをしないんだもの。

それは、候補から外れている証拠。

ってなんで、凹んでるのよ!
まるで、私が誘われたいみたいじゃない!

ズキッ

(誘われない・・・誘われたい・・・)

私、誘われたいの?

私・・・坂上君が好き?

ブルブル!!

ない!!だって、私は彼を探しているんだもの!

私は、普段隠している緑色の石のペンダントをそっと服の上から撫でた。