放課後


私は、GARDEN SQUARE Tokyoに来ていた。


夢花が先に坂上君に会いに来ていたなんて、驚いた。


「あっちの世界の事も聞いた。

あたしに話してくれなかったのは、あたしに話しても、きっと信じないと思ったからだよね?

あんなの確かに聞いても、信じらんないね。

だからね。志帆も悪いけど、あたしも悪かったっていう事!」


坂上君は、夢花に全部話したんだ。

私の口からでは、夢花は信じなかっただろう。


夢花が、私にだけ聞こえるように言った。

「魔法って凄いね!」


あの口ぶりは、魔法を見たんだろう。


私は、ビルの前に立ったまま。


そうだ・・・そもそも、話があると言われているだけだ。

私は何を戸惑っているのだろう。

きっと、長い月日のせいだ。

そうだ・・・シモンド国がどうなったのか。

それを聞こう。


自分の中で口実を作れば、きっと変に意識せずに話せるはず。


私は、自動扉を通過する。