あたしは、開いているドアから教室に入った。

「志帆ちゃんも行くよね?」

どうやら、今日の放課後に皆で出かけるみたい。

「えぇ、分かっ」


「バカじゃないの!!」

あたしの声に皆が注目する。


「夢花?」

何で志帆は、坂上君の所に行かないのよ!


「志帆に言ったの!!」

「う・・・うん・・・」

まぁ、志帆らしいって言えば志帆らしい。

でもさ、それって違うよね。


「あたしに悪いと思ってんでしょ?

志帆って、昔っからそうだもん。

行かなきゃ!後悔するよ?

坂上君が待ってるよ」

あたしの言葉に驚く志帆。


「さ・・・坂上君が志帆ちゃんと関係あるの?」


クラスメートが、疑問を口に出す。

「そうだよ? 雑誌見た?坂上君が待ってる大事な人って、志帆の事だから。」


「えー!?」


クラスメートが全員反応する。

「夢花・・・」


「志帆だって、坂上君に会いたいんでしょ?あたし、志帆に信用されてないのはショックだった。」


「うん・・・ごめん・・・言えなくて」

「うん 言えないよね。だからね。本人に聞いてきた。」


「え!?」

志帆が驚きの声をあげるなんて、とても珍しい。

そんな声が聞けただけで、あたしは満足よ。