君を好きになってもいいですか?



今日は入学式って事で少し準備かなにかで騒がしくなっている体育館の前を通り昇降口の前に張り出されているクラス表を見に行こうとした時だった。


新入生らしき制服の新しい男の子の後ろ姿が体育館を通り過ぎて直ぐに左手側に見えた。


その男の子は少し寂しげな雰囲気を醸(かも)し出しながらフェンスの向こう側を見つめている。

気になって少し覗いてみると野球部の練習を見ているようで…


「野球、好きなんですか?」

「え…?」

あ、しまった! 思わず声掛けちゃ…た…

私は少しびっくりしたように振り返る彼の顔をみて思わず固まってしまった。

だって……


目の前に居る男の子は1年前に1度出会って探していた人とそっくりだったんだもん…。