高校一年生の春
みんなと歩いていた俺は、
交通事故で記憶を無くし、入院することになった。
思い出した俺の記憶は忘れるなんて
信じられないものだった。
俺はなんてことをしたんだろう。
こんなことになるのなら、
素直になりゃよかった。
ねえ、もう一回君に会えたなら、
もっと素直になれたかな?
好きってちゃんと言えたかな?
全部わかってたハズだったのに。
最後にあんなこと言うなんて。
もっと一緒に居たかった。
ずっと一緒が当たり前で……
気付けなかったよ。


ひらひらと桜が散る木の下だった。
3才だった俺と春(ハル)は、約束をした。

「ねえ、何があっても一緒だよ。ずうっと、一緒にいてね?」
「うん。春はボクが守ってあげる!約束」
「嬉しい。」

ただの口約束だったけど、ずっと守られていた。俺達は家も近くて、学校も中学から大学までエスカレーター。
だから高校生になってもずっと二人セットで当たり前だった。