小さな村の大きな話




「佐藤舞、か」


「ありそうでしょ??」


「まだ病室に荷物あるから取りに行ってくる」


「わかった、私はこれで失礼するわ。
また明日くるから」


「意識戻ったら伝えておく」



確かあいつ、病室の机の中に何か入れてたはず。

病室の前まで来ると見慣れた人影があった。




「………やっぱり来たか」



間一髪、タイミングずれてたら危なかったな…。



「そこで、何してる」



当の人物はビクッとなたを震わせて恐る恐る振り向いた。

ここから先は知ってのとおりだ。
俺がこいつに隠したのは…
俺がこいつにこの村にいてほしい、と。そう思ったからなんだろうか……。