小さな村の大きな話




「りーんーちゃーん!!!」


「ごめんなさいっ!!」


「なんで勝手に抜け出すの!?!?」


「ちょっと、外の空気を吸おうと思って…」


「なら、一声かけるとかメール送るとか何かあるでしょ!!」


「…ごめんなさい」



ぎゅっ



「あんまり、心配させないで」



背中にまわされた手が少し震えていて。
私もそっと背中に手を回す。
大丈夫、大丈夫。私はここにいるよって。



「ごめんね、もう心配かけないようにするから」


「…うん」





……あれ、ちょっと………。



「大和、くん……」


「りんちゃん??」


「なんか、変……」


「ごめん。ちょっと音、聞くね」


「はぁっ…はぁっ…」



大和くんはそのままナースコールを押して何か頼んでる。



「ううっ、はぁっ」


「大丈夫、大丈夫。
すぐ長谷さんが薬持ってきてくれるから」


「んっ……」


「ゆっくり息を吸ってごらん??」


「はぁっ、はぁっ…すー、はぁー」


「上手上手」



ガラッ



「点滴、持ってきました」


「ありがとう、長谷さん」


「私刺しますね」


「お願い」



大和くんがずっと背中をさすってくれて大丈夫と手を握ってくれる。
どんどん自分の手が冷たくなって、大和くんの手が暖かくなっていく。
プスッと針が腕に刺さったのがわかった。



「っつ……」


「ごめんね、痛かった??」


「だ、大丈、夫…」



しばらくすると徐々に落ち着いてきた。
なんか……最近前触れなしに突然発作が起こること多いかも……。
熱もないし運動したわけでもないのに…



「落ち着いたみたいですね。私戻るので何かあったらまた押して下さい」


「うん、ありがとう」