「落ち着いたみたいだね」



外に出てきた壱に声をかける。



「うん、ナースコール押してくれてありがとう」


「ねぇ。りん、相当悪いんじゃない??」


「………そんなこと、ないよ??大丈夫」



……悪いんだ。
ほら、すぐ顔に出る。



「バレる嘘なら最初からつかない方がいいよ」


「……正直、夏休み前に退院するのは厳しい…かな…」


「……そう」



うなだれてる壱の背中をぽんと叩いてみる。



「壱がそんな顔してたらりんが不安になるよ!!
大丈夫、なんかあれば錦もいるでしょ??
あいつ、あんな奴だけど困ったときには助けてくれるよ。一人で頑張る必要ないんだからね!!」


「ははっ、歳下の子に励まされちゃったな」


「私、そろそろ帰るから。
何かあったら連絡して??力不足かもしれないけど、出来るだけの事はしたいから」


「ありがとう」



明日はきっと今日より良くなる。
私達はそう信じていくしかないんだ。