「おはよ。樹ちゃん」


「おはよう、りん
……なんか、顔色悪くない??」


「そ、そんなこと無いよ!!」


「……ならいいけど」



じー……。
……めっちゃ見られてる。



「そういえば、もうすぐ夏休みだね…」


「そっか…もうそんな時期なんだね」



そう言って下駄箱を恐る恐る開ける。



「あ、れ??何もない…」



いつもなら嫌がらせの手紙とか、ゴミとか画鋲とか入ってるのに…。



「ほら、何してるの。早く行くよ」


「うんっ!!」



教室に入ると異様な空気が漂っている。
……咲座さんの机の上、落書きだらけ……。



「あの、咲座さ――


「りん、行くよ」


「う、うん…」



見て見ぬふり。
この間までのクラスメイトと同じ…。



「……りん??
ちょっと、大丈夫??顔色悪いよ」


「え??大丈――



バタン



「りん!!」




あれ、床……。
私、倒れた…??
立たなきゃ……。た、立てない……。



「奈穂、先生呼んで!!」


「わかった!!」


「……もしもし、錦??
壱いる??いや、代わらなくていい。
りんが倒れた。これからそっち連れてく。
発作ではなさそうだけど熱が高くて……。
うん、わかった」



電話、してる……。
私、えっと……、、だめ、頭回らないや…。



私はこのまま眠ってしまった…。