「つまり、要約すると樹が黎華に怪我させて黎華のお母さんがご立腹って訳ですね」
「…いや、待って。あんた誰??
あたしの知ってる黎華のお母さんはもっとこー…」
「…再婚。
深月さんは私が小6の時に出て行きました。元気にしてるそうですから心配はいりませんわ」
「ふーん。深月さんね。
実の母親にさん付け呼び。うける」
……ハッと樹ちゃんが鼻で笑うと咲座さんのお母さんが眉をひそめた。
「お母様、今回の事は高校生同士のただの喧嘩ですわ。
私の手首も大したことはありませんし」
「母親連れて家まで乗り込んで来たくせによく言うよ」
「……それは村崎が!!」
村崎先生??
……だめだ、全く話が読めない…。
「あー、なるほど。そーゆーこと」
そーゆーこと…??
どーゆーこと…??
「村崎先生でしょう??黎華さん」
「は、はい……。すみません」
「このような方とお付き合いしているから黎華さんまでこんな……
樹さん、あなたはこの村にとって財産です。
その自覚はお有りですか??」
「そんなの母親の腹の中に忘れてきた」
「この口の聞き方。
やはり、教育のやり直しが必要ですわ」
教育って……。
「なるほど、それが目的か」
「錦さん??」
「この村じゃ、樹様と黎華様のご意思ってだけで大抵の意見は通るからな。
二人とも手元に置いておけば。って考えた訳だ。
教育とは大義名分だな」
「あんた、黎華の事…物としてしか見てないでしょ」
樹ちゃんが…怒ってる……。
確かに咲座さんのお母さん…咲座さんのこと全然見てない気がする……。
「なっ、そんなこと!!」
「あるよね」
「私はここから離れないよ。墨村先生と錦が私の家族だ」
「俺も、こいつを他所にやる気はない。
用が済んだのなら帰れ」
咲座さんのお母さんが怒って帰ろうとしたとき樹ちゃんが咲座さんの手を掴んだ。
「黎華自分で決めな。これからどうするのか。
こんな母親に一生付いていく気??」
「っ!!」
「黎華さん、何をしているのですか??早く帰りますよ!!
檜山さん。今日の所は失礼します。今後娘に害を与えるようなことは控えてくださるかしら」
「黎華。あたしならあんたを助けられる」
「勝手なこと言わないで。私はっ!!」
「あんた本当は何も変わって
