うーん、どうしよう。
結局昨日のノートは見なかったこととしてりんちゃんと接した。当の本人も何事もなかったかのように学校に行ったし…。
「どうしました??壱原先生」
「あ、長谷さん」
「ぼーっとしてましたよ??大丈夫ですか??」
「あ、いや、うん、大丈夫」
「この辺りは慣れるまで大変でしょうから、何かあったら相談乗りますよ」
「ありがとう。頼りにしてるよ、長谷さん」
「あははっ、頼りになるかはわかりませんけどねー」
長谷視歩さん、心下担当の看護師さんだ。
長谷さんなら女性だしこういういざこざとか、詳しいのかな…??
今度、聞いてみようかな。
「あ、そだ、これ。この間頼まれてた本田りんさんの採血の結果です」
「あぁ、ありがとう。大変だったでしょ??
採血嫌がるから」
「まぁ、あのくらいなら可愛いもんですよ」
「…あれで、可愛いもんなの??」
「中には暴れる子もいますし、男の子とかだと手に負えなくて大変です」
「なんか、長谷さんってそういう患者多くない??」
「私、力強い方なんで暴れる子とか逃げることかに積極的に当てられるんですよね」
一体彼女は今までどんな患者を面倒見てきたんだろうか…
「さて、そろそろ外来入れますよ。
シャキッとしてくださいね、先生!!」
「が、がんばりまーす…」
