ガラッ


「本田さん、少しよろしくて??」

「は、はい」


名前も知らない彼、行動早すぎやしませんか??


「青柳君から聞いたわ、随分と恥をかかせて下さいましたね」


あ、青柳君って言うんだ…。
って、そうじゃなくて!!

「私には、そのつもりはなかったのですが…」


あっという間に数人の女子に囲まれてしまった。


「あなた、黎華様が青柳君をお慕いしている事ご存知でこんな事を??」

「ですから、私は何も言ってません!!」

「なら、なぜ青柳君はあんな事を??」

「し、知りません」

「どこかの無責任な政治家と同じですわ。都合が悪いと知らない、わからない、記憶にない」

「最低ですわ」


ずっと黙っていた咲座さんが口を開いた。


「そろそろHRが始まりすわ。皆さん教室に戻りましょう」


校舎裏に一人取り残された私はとんでもない事になってしまったと心の底から思った。

それからだった、地獄の始まりは。