俺はカフェの準備と内装工事の様子を見る為、朝から店に来ていた。

そろそろ、幼馴染で俺の愛しい女、唯が出勤して来る時間に窓の外を気にしていると、寒そうに肩を縮め首に巻いている大きなストールの中に顔を半分埋めて小走りにやって来た。

かわいい…

どうしてあんなにかわいいんだ。

幼い時から女の子には優しくを教えられ、年齢関係なく女性は大好きだったが、記憶が確かなら俺の初恋の人は唯の母親。

初めて会った時には、既に唯の父親であるフォルテシモの店長、今のオーナーといい関係だった。

大好きだった彼女の結婚式に家族でお祝いに駆けつけた時は、ショックでしばらく泣いていたとお袋が今だにいうぐらい恥ずかしい記憶。

しばらくして妊娠がわかり、彼女が産んだ双子の慧と唯は俺の兄妹のような存在だった。

だが、ある日突然、唯は俺の愛しい存在に変わった。

小学生になった俺となかなか会えないと大泣きした唯。一緒に学校へ行くとダダをこねるからランドセルがないと学校には通えないと言うと、俺のランドセルを隠してしまった。

ゴミ捨て場に捨ててあるのを見つけられ、怒られてでも俺と一緒にいたいと言い、しがみついて離れない。