肩まであるストーレートの髪を後ろで1つにまとめてカーテンを開いた。

突然、現れたそこに立つ男性に目が奪われる。

160センチある私より頭1つ分程大きな身長の彼を、思わず観察。

黒のタートルネックにブラックジーンズ、その上にベージュのチェスターコートを羽織り、毛先を遊ばせたラフショートヘアの髪型が爽やかな印象を与え、シルバーフレームの眼鏡の向こうに見える奥二重の目。その右下に小さな黒子がとても色っぽく、キスしたくなるような唇の厚さが、私の好みにど真ん中で瞬きも忘れ見つめてしまっていた。

このカッコいい人だれなの?

でも、どこかで会ったことがある気が?

目の前にいる好みの男性も私を観察している様子で、見つめられると恥ずかしくて視線を外してしまう。

やだ…
そんなに見ないでほしい。

あっ、瞼が腫れているって気がつかれた?

そんなふうに思っていると、勝手口の方から美鈴さんの声が聞こえてきた。

「新‥工事の人が相談あるって」

「……えっ、新ちゃん…なの?」

目の前の男性に人差し指を指して確認する。

「あぁ…唯はあの頃からあまり変わらないのな」

思わず、ムッとしたら表情に出ていたらしい。