うふふと笑い何を期待しているのか知らないけど、私にとってずっと新ちゃんは、4つ違いの幼馴染のお兄ちゃんでしかないんだから…

新ちゃんに会うのは何年ぶりかなぁ?

新ちゃんは、大学に通いながらお父さんのお店『コンフォルト』を手伝っていたけど、突然、大学を辞めてどこかに行ってしまっていた。

当時、美鈴さんが言うには、お店を継ぎたいと言った新ちゃんに、おじさんは簡単には継がせないと言った事から、認めてもらえる実力をつける為に武者修行の旅に出たのよと笑っていた。

そんなことを思い出し

認めてもらえるような実力がついたから帰ってくるんだ。

と、久しぶりに会えることに嬉しくて、瞼の腫れを冷やすのもソコソコにして、新ちゃんのこと詳しく聞かなくっちゃと昨夜の事を頭の隅に追いやり仕事先に向かった。

Aliceの裏口から入るとすぐに厨房があり、そこにいるはずの美鈴さんがいない。

おかしいな?
裏口が開いていたからいるはずなのに…

首を傾げながら、カーテンレールで仕切られた簡素な更衣室兼休憩スペースで制服に着替える。

添えつけのロッカーから白のシャツと黒の膝丈のタイトスカートに着替え、その上から赤いサロンを腰に巻いた。