キスしたい衝動には勝てなくて私から恐る恐る唇を重ねたのに、子供染みたキスに、喉奥で笑った新ちゃん。

「唯には無理だったか‼︎…今日はお子ちゃまのキスで我慢してやるよ。俺的には、大人のキスがいいんだけど…唯からできるように練習しないとな」

からかうように微笑み、わざと私の唇を親指でなぞり私の反応を伺う様子が憎たらしい。

「私から大人のキスなんて、恥ずかしくてできないよ」

「でも、俺からキスされたくないんだろう⁈だったら、唯からキスしてくれないと…キスしたくない?」

妖しい眼差しで勝ち誇り笑った男が、悲し気に呟き、そして、誘惑するような甘やかな声で、唇を指先がなぞりキスを催促する。

あの日の艶めかしいキスを思い出した私は、ゴクッと息を飲み込んだ。

そして、不埒な男の唇が

「ゆい…」

と煽情的に動きキスを誘発した。

彼の顔を引き寄せ唇を重ね、唇を食み、開いた唇におずおずと舌を絡ませるのが精一杯で、唇を離すと、男は濡れた唇を舐めながら…

「真っ赤になって可愛い…意地悪し過ぎたかな⁈もう、キスしてほしくないって言わない?」

逆らった事を後悔した私は素直に頷くしかなかった。