『藤宮さん、』 「はい」 『それ、すごい気になるんだけど』 安藤さんの指が指す〈それ〉とは たぶん、昨日“元彼”に噛まれた痕のこと。 コンシーラーで隠しても 消えてくれなかった。 「気にしないでください」 『気になるよ、痛そうだし』 「痛くないですよ、全然」 『、女性は大切に扱われるべきだ』 真剣な瞳が私を射抜く。