side山崎宗平(僕)

僕はいつかまた彼女に逢えるのだろうか
逢える日がくるのだろうか。
そう。あれはいまから6年前。
[梅雨]という一つの思い出と共に、彼女は消えた。僕の前から、忽然と。
僕は彼女に恋をしていた。
それは僕自身が一番良く知っていたはずなのに素直になれないまま彼女は僕の前からきえてしまったのだ。
そう。その恋は六月の間だけではとても語り尽くせないほど永く、そして、儚かった。
どうしても告白できなくて、親友と言う関係のままいなくなってしまった君、
四月桜の舞う中現れ、 六月梅雨と共に去って行った君のことを、
僕は一生忘れることはないだろう。
いや、忘れられないだろう。

僕の恋した君よ。
どうかここにずっと君を想い続けている親友がいることを忘れないで欲しい。

君はいまも何処かで笑っているのだろうか。
梅雨と共に消えた君。
そう。まるで君は紫陽花のように。