「愛理、わりぃ。大丈夫か?」

千賀くんさっきと全然顔が違う。すごく心配してくれてる。

「‼︎⁇おいっ!愛理?」

安心してしまって、思わず千賀くんに飛びついてしまった。

「あ、ごめんなさい」

すぐ離れようとするとぎゅーっと抱きしめられた。


「お前さ、痴漢されたり、今も胸触られたり。学校でも男子からの視線とか気づいてんの?もう少し自覚持てって。」


「ご、ごめんなさい。うっ。」

「いや、怒ってない。むしろ自分自身に怒れるけど。それにお前を泣かせたいわけじゃない。」


「私が鈍くて、ドジで千賀くんにも迷惑かけて。私、みんなの周りにいる資格ない。不釣り合いで浮いてるって。」

泣きながらわけのわからんことを口走ってしまった。

「お前が鈍いのもドジなのも知ってる。お人好しでなんでも一生懸命やってるだろ?木下も祐一もだからお前と友達なんだろ。俺だった迷惑だったらここまで追いかけたりしない。」

頭を撫でながら優しく話してくれる。ほんとに千賀くんは優しい。



「やっぱラッシュだな。」

「私が早退したから…。ごめんね。」

「いや、愛理大丈夫?苦しくないか?」

「うん。大丈夫。」

私たちは小声で話す。

帰宅ラッシュのせいで、いつも以上に混雑してて、壁と千賀くんに挟まれてるっていうか、千賀くんにほとんど抱きしめられてるような状態。

ほんとに恥ずかしい。