「いってきまーす。」

家を出るとやっぱり千賀くんはいた。


「おはよう。」

「おはよ、行くぞ。」


千賀くんの隣を歩く。特に会話はない。
でも、初めて会った時から嫌な空気ではないから気まずくない。


千賀くんのおかげで電車の中も怖くないし!
やっぱり優しい。一方的な約束ではあったけど、ちゃんと私のこと待っててくれた。私のこと普通の女の子みたいに扱ってくれるのがうれしいな。

お前は頑丈だから、強いから、大丈夫だろってよく言われたし。


千賀くんはきっと誰にでも優しい王子様なんだろう。