ゴンドラが上へのぼる。

美玲も颯斗も口を開かない。

でもダメ。

私が言うんだから。

「あのっ」
「待って。言わなくていい。 」

颯斗の声が制しする。

「でも私っ。颯斗に言いたいことが…」

「大丈夫。分かってるから。」

颯斗の儚げな微笑みは

ただただ綺麗で

涙がこぼれてきた。

「ご、ごめんなさいっ。ひっく。私…。最低なの...ひっく。」

「大丈夫だから。なんとなく分かってたんだ。自分でも気付かないふりをしてた。ごめんね。悩んじゃったんだ?苦しめてごめんね。今までありがとう。」

颯斗は全部分かってくれてる。

私は泣く事しか出来なかった。

颯斗は美玲をそっと抱きしめた。

颯斗の手の温もりは暖かいけどどこか切ないようだった。




今日私は颯斗と別れました。