どのくらい歩いただろうか。
気付いたら海にいた。
「昔はよく、美玲とこの海に来てたんだな…」
そう思うと切なさが込み上げてくる。
ピルルルルルルル
スマホがなった。
【美玲】と書いてある。
「はい…もしもし」
電話の向こうからは美玲の慌てた声。
自分が何を喋っているかなんて分からない。
ただ...美玲に謝った気がしたんだ。
冬の海岸は勿論寒かった。
周りは人ひとりいない。
いなくなるにはなんて好都合な場所だろう。
美玲の思い出と一緒に終われるなんて何て幸せなんだろう…
気付いたら海へ1歩1歩近づいてた。
冷たい水が足にあたる...。
サヨナラ...美玲...。
「祐太ッッッッッ」
後ろから聞こえて来たのは、幼馴染みが必死に叫ぶ声だった。


