外はもう寒く、白い息が出た。
外にはもう、祐太がいた。

｢美玲…遅すぎっ。この寒い中でどれだけ待ったことか…｣
｢ちょ。祐太。大げさだよー ｣
｢もういいから、早く行くぞっ ｣

私、中野美玲と椿 祐太は、いわゆる幼馴染み。ちっちゃいころからずっと一緒にいた。だからと言って、別に祐太のことが好きな訳では無い。まあ、友達としてなら好きだけど。
それ以前にわたしには彼氏がいる。
だからあんなことになるなんて思ってもみなかった…………………………………

｢ギリセーフッ。｣
｢祐太。全然セーフじゃないっ。もっとゆっくり行きたかったよぉ ｣
｢お前なぁ… ｣
そこまで言いかけた祐太の言葉がかき消された。その原因は…

祐太のファンクラブの人達だった。
｢椿くーん ｣
｢おはようっ ｣
｢おはようっ、げんき？｣
祐太は戸惑ったような笑みを見せた。
祐太がやっとのことで振り切り、私の元に来た。
｢ 祐太ってさ、モテるのになんで彼女作らないの？｣
その質問に祐太は顔を真っ赤にして、