昨日のことが、嘘みたいだった。 と、いうか嘘だと思いたかった。 でも祐太がしてきた唇の感触を思い出すたびに、現実なんだ。と思い知らさせた 。 美玲は鏡の前でため息をついた。 美玲の自慢だった黒髪ロングヘアーは今はボサボサ。 目の下にはくまが出来ており、目は真っ赤に腫れている。 「誰か嘘だと言って… 」 何度こう、神に願ったことだろうか。 朝は一緒に行く気になれず、いつもより早起きして、さっさと学校へ行った。