ともちゃんを探して、まずは、体育館の入口周辺を歩く。
いません。いませんよ~。

人にぶつかり、すみませんと謝る。

”はぁ、こんなことなら、来なきゃ良かったと思う。暑いし”

いじけて、コートの隅に座る。試合はお昼休憩で一旦中止だ。
私だけが1人なのが嫌でも目立ったのだろう。

男の人から声をかけられる。
『どうしたの?ずっと1人で、誰か探してるのか?』
しょうがない、頼るしかないと心に決める。
「はい、姉を探してます。」
『そっか。一緒に探そうか。』
「いいんですか?」
『いいよ。まだ時間はあるから。』
男の人は、タオルで汗をぬぐいながら、いろいろと尋ねてきた。
『姉ちゃんは、どこ中なの?てか君は?。』
「武雄中。私はまだ、小6だから…。」
『武雄中なら、俺が働いてるとこだよ。休憩場所はあっちだけど。バスッケトしてんの?』
「へ?先生何ですか。若いから大学生くらいかと思ってた。姉ちゃん写真部です。」

若くて、先生とは思わなかった。
やばっ
『写真部か~、そういえば今日も誰か来てたな。でも、全然君と似てないよ。ショートの子。』
「姉は父似で、私は母似だから、でも目はそっくりですよ。一重で細くて」
笑いながら言う。
『そうか~、全然細くないよ。一重なんて気づかなかった。可愛いよ。』
「そんなことないですよ。」
取りあえず、チームの休憩場所へと歩く。