海沿いの並木道の突き当たりは 丘だった。 白い花が一面に咲いている。 僕はそこに腰をおろして ごろんと寝転がった。 僕の真上を 白い雲が形を変えながら流れていく。 さっき見た雲と同じ雲は もう二度と見れないんだ,と思うと切なかった。 時間の残酷さが 僕の体の隅々まで沁み渡り 不思議な鈍い痛みとなる。 機械の僕が息を吸うこの瞬間にも 何人もの人間や動物が生まれ 死んでいるんだ。