「似合わぬとは、蕾殿に失礼ですぞ」
ニッコリ笑いながらそう言った陶さんをもう一度睨む。
その失礼なことをさっき堂々と本人の前でしたのはお前だろ!!
てゆうか何で陶さんにフォローされてるんだ?!
チラリと殿を見ると彼はニヤリと意地悪な笑みを浮かべていた。
「ライはまだ蕾だからな。蕾を麗しいというのはおかしいだろう?」
「っっ!」
殿の言葉に陶さんは息を飲んだ。
民部君も驚いた顔をしている。
私はというと何がなんだか分からずポカンとしていた。
何でみんなそんなに驚いた顔をしているんだろう。
殿は何を言いたいの?
殿をじっと見ていると、彼はニッコリ笑って私の髪をクシャっと撫でた。
「ちょっ、何するの?!」
必死に彼の手をどけようと抵抗するも髪はグシャグシャになってしまった。
何なのよ!?
キッと睨むと殿は優しい笑顔を浮かべて私を見ていた。
「蕾が咲くときにはきっと誰もが目を奪われる花になっているだろうがな」
