「まだ?」

「まだだ」





「もういい?」

「もう少し」






私の手の上に何かが置かれた。



「いいぞ」


そう言われて目を開ける。
手の上の物を見て私は目を見開いた。


「これ……」





置かれていたのは髪飾りとリボンだった。

リボンは多分髪をまとめるためのもの。
小夜ちゃんが使っているものとよく似ている。


そして髪飾りは。




「ライの名前と同じものだろ?」







桜の簪だった。