殿に助けられて目覚めた日。


私が酷い事を言ったと謝ると、彼は目を丸くしたけど直ぐに優しい目で頭を撫でて「ライが謝ることではない」と言ってくれた。


恥ずかしくて結局今日まで好きだとは言えていないけど、あの日から私の周りで少し変わったことがある。






1つは百合さんのこと。

会えば嫌味を言ってきていた百合さんが最近全く話し掛けてこなくなった。


一度井戸でばったりと会ってしまった時にはすれ違いざまに「ごめんなさい」と小さく謝られた。


多分私が崖に落ちたのは百合さんが何らかの形で関わっているのではないかと思う。
でもそれは私の勝手な推測だし、例えそうであっても百合さんは私に謝った。



あの事をなかったことにして百合さんを許すほど私は人間が出来ていないけれど、百合さんのことについては私からは何も言わないでいてあげようと思っている。





そしてもう1つ。