最後に殿と会ってから三日。
私はあの後丸一日部屋にこもって泣き続けた。
自分でもビックリするぐらい涙が止まらないし、どれだけ泣いても胸の痛みは消えなくて……


私が彼を傷つけるようなことを言ったくせにバカみたいに傷ついている。
やっと自分の気持ちに気づくことが出来たのに自分で彼を遠ざけてしまった。


後悔と悲しさが私の心を覆い尽くす。






やっと部屋を出たときには小夜ちゃんが悲鳴をあげるほどパンパンに腫れてしまった。

小夜ちゃんが気を使ってくれて今日は洗濯だけをすることになっていた。






のに何で百合さんに会うのよ?!

まだ全然気持ちの整理がついていないのに。



「な、何かご用でしょうか」


せめてもの抵抗のつもりで皮肉っぽく言ってみる。
でも百合さんには全く効かないらしく一層笑みを深くした。


「蕾様はこのあと何かご予定は?」

「無いですけど……」

「今日は林には行かれないのですね。昨日もいらっしゃらなかったようですし」


百合さんの言葉がグサリと刺さる。



行けるわけないじゃない!!


どんな顔をしてあそこに行けばいいっていうのよ。


私は彼を酷く傷つけてしまったのに……



「それなら少しお頼みしたい事があるのです」

「頼み?」

「はい。ヨモギを採ってきて頂きたいのです」

「ヨモギなんて何処で採れるの?」

「裏の林の奥です」