「蕾様」

洗濯物を干していた私。
後ろから声をかけられて振り返った。




「っっっ!!」

「少し宜しいでしょうか」




そこにいたのは今二番目に会いたくない人。


「ゆ、百合さん……」


彼女の顔を見た瞬間にあのときの情景が思い出されてまた涙が溢れそうになった。


「あら目元が少し腫れていますね。どうかなさいましたか?」

「っっ」


百合さんは自分の目もとを指でなぞりながら口の端を少し上げた。
カァーと顔が熱くなる。



百合さんの言う通り私の目もとは誰が見ても分かるくらい腫れている。

でもこれでもましになったほうだ。