どうしよう……
私は取り合えずいつもの木の所まで来たものの、何だか気恥ずかしくて近くの木の影に隠れている。
殿は昨日のように木の下で寝転んでいるようだ。
普通に出てでけばいいんだ。
きっと彼は昨日のことなんて気にしてもいないはずなんだから。
いや、でもそれはそれでムカつくな。
私だけ悶々としているなんて不公平だ。
なんて自問自答する事小一時間。
殿はいつの間にか寝転がったまま本を読み始めている。
よしっ、行こう!
やっと決心がついた私は足を踏み出そうとした。
その時。
「何をしているのですか?」
女の人の声が聞こえて私はバッと身を隠した。
「何故お主がここに?」
「殿をお探ししていたのですよ。このような所に居ては風邪を引きますよ」
あれ?この声聞いたことある。
私は恐る恐る顔を出してみた。
そして目の前の光景に驚愕した。