「そこの、何をしているんだ?」


いきなり頭の上から声が聞こえ、私は驚いて顔を上げた。
そこには見たことない男の人5人が私を不思議そうに見ている。


「どうした?」

「どっか痛いのか?」


口々に喋る彼らに私はただ首をふった。
声を出すと絶対に涙声になってしまいそうだ。


「あれ、お前この前殿に助けられた子供じゃないのか?」


『殿』という言葉に体が震える。
それを見た男達は更に近づいて来た。


「そういえば女だって噂で聞いたな」

「へー結構可愛いじゃないか」


そう言って一人がしゃがんで顔を覗き込んできた。
私はバッと顔をそらす。


「うわー目ぇ真っ赤」

「もしかして殿に泣かされたとか?」

「違う!」