「何なのよ、もう」

止まらない涙を拭いながら私は呟いた。

あれから夢中で走って、今は井戸の端でうずくまっている。





あんな最低なやつに私のファーストキスを奪われたということが心底ムカつく。

あんな風に言われて私の怒りボルテージは崩壊寸前だ。

出来ることならあのときに戻ってやり直したい。











そして何より淋しかった。





この世界で彼だけが私の気持ちを理解してくれるんだと勝手に思ってた。
酷く裏切られた気分だ。


「あんな当然みたいに言わないでよ」


また涙が溢れてくる。