「あ゛ームカつくムカつく!!」


あれから3日。
やっと動けるようになった私は今日から小夜ちゃんの仕事を手伝うことにした。
で、今は井戸の所で洗濯中。


「何だか荒れてますね。蕾様」


隣で小夜ちゃんが苦笑いしている。
まぁ無理もない。
さっきから私は何かの仇みたいに文句を言いながら洗濯をしているんだから。


「うん、ちょっとね……」


あの変態男に唇を奪われた後。
私は恥ずかしさと屈辱で全く寝れなかった。
おかげで次の日は寝不足で1日中頭が痛くて最悪だった。
そのせいか、私の中のあの男への怒りは日に日に倍増している。


考え込んでいると、小夜ちゃんが心配そうに覗き込んできた。


「やはりまだお休みになっていた方がいいのでは?」

「ううん、大丈夫だよ」



この会話はかれこれ10回目。

流石にこれ以上寝たままだと起きれなくなりそうだ。
実際に昨日少し部屋の中を歩いただけで今朝若干筋肉痛になっていた。


「何かありましたら言って下さいね。殿から蕾様のことを任されているのですから」

「う、うん」


また随分と過保護だなぁ。