命の祈り【仮】

sideせいや

「よし、これ出歩けるかな。」

1週間歩行訓練を終えてちょっとふらつきながらもそこそこ歩けるようになった。


「みかるに会えるかなぁ」
病院内をフラフラ歩き回った。
今日はみかるに会える気がした。

でも何処にも居なくて...
"みかる"って名前しかわからないから
聞くにも聞けなくてもう戻ろう。
そう思ったとき少し遠くに見覚えのある影が見えた気がした。

視界が悪くて近寄らないと見えない。
淡い希望を胸に近寄っていった
すると、俺が会いたかった人がどこかの扉をあけてドアの向こうを覗いていた。

その横顔はなにかに怯えているようだった。

「なにしてんの?」
俺が声をかけるとすぐ振り向くみかる。
その目には涙が溢れていた。


「せいや...」
みかるは小さな体で抱きついてきた。


「おいおい、どうしたんだよ?」
俺は優しくみかるを抱き締めて泣き止むまで撫でた。

泣き止んだ後に出逢ったあの場所へ行った。
あのときのベンチへ座り二人で話した。