声に恋する1週間


金曜日

その日。私は熱を出した。
きっと、昨日雨に濡れながら帰ったから。

風邪なんてひいたこと無かったのに。
こんなにも辛いんだ。

「ゲホッ!ゲホッ!」

声も枯れて、ひどい咳が出るだけ。
本当は寝てなきゃいけないんだろうけど、私は作業を始めた。

「今回もゲホッ!ミキナシさんに頼もう。」

独り言。寂しくはない。

『ミキナシさんへ
 新曲をレコーディングしました。なので、ムービー描いてもらえませんか?』
メールを送る。

顔も知らない人だけど、私はとても信頼出来る人だと思っている。

しばらく待つと、ミキナシさんから返信が来た。

『わかりました!新曲送ってもらっていいですか?歌詞と題名も下さい!』

快く受け入れてくれる。
新しい曲のレコーディングしたやつと、歌詞を書いたデータを送った。

食欲も無かったので、コーヒーを飲みながら、デザイン案を待った。

その日。デザイン案が来る事は無かった。