みんながイライラし始めた。

先生も何故かイライラしている。

いや、イライラするなら解放すりゃいいだろ、と思う。

...でもこのままじゃ、らちがあかない。

俺はどうなるかは分からないが、おずおずと手を挙げた。

クラスメイトの視線が一気に俺に集まる。

みんなが俺に、救いの視線を向けている。

俺は英雄にでもなったつもりで、みんなに視線を返した。


「なんだ?」

先生が俺を睨むように見る。

俺は深呼吸をして、先生を見据えた。

「先生、実は殺人鬼は俺なんです。ゴメンなさい。

だからみんなは帰してあげてください。」