君の星、僕の星

40歳という彼の年齢は、こういう場でお酌をする相手としては飛び抜けて若かった。
実際、その飲み会で瀬戸さん以外のメンバーは全員50代以上だったと思う。


両隣に女の子をはべらせた白髪頭のおじさんが過去の武勇伝を語り出し、場はかなり盛り上がっていた。


「いかがですか?」

「ああ。ありがとう」


一番端でちびちび呑んでいる男性を見つけ、笑顔で近付く。
いつものように立ち膝でグラスにビールを注いでいると、


「大変でしょ?こういう仕事も」


突然そう聞かれた。


「酔っぱらいオヤジの相手ってね。俺もオヤジだけど」

「でも、お給料がいいから。」

「はは。正直だね」


呑み方が綺麗な人だった。
一口分減ったビールの泡がグラスの中で弾ける。


「俺も似たようなもん。今日はお得意さんの接待でさ」

「やっぱり。お客さんだけお若いから、付き合いだろうなと思いました」

「でも、こんな可愛い子隣に置いてたら取引中止になりかねないね。」


リップサービスがスマートに出てくるあたり、言い慣れているんだろうと思う。

受け流す技術は身についているはずのに、胸にすとんと落ちたその言葉が今日は妙に嬉しかった。