「はぁっ〜疲れた……」

俺は素の声で言った


まぁ素の声もあんま変わんないけどね


そして屋上の床に座り込んだ


でも今日はお腹空いてないしお弁当はいっか


そして寝ようと思って体を倒したら真弥がいた



「真弥っ!?なんでいるの?」

俺は女の声に戻していった


真弥『だって……百合、言ってたじゃない…私がダメって言わなかったら食べようねって……』


何を言われているかわからなかったけど
すぐにその言葉の意味を理解した


そういえば結構前に

『百合!私、百合と一緒にご飯食べたい!いつもどこに行ってるの?』

って聞いてきたな


でも俺は一緒に食べる気がないから

「そうだ、私がダメって言わなかったら食べようね」

って言ったんだ


忘れてた……


まぁそう約束した以上守らなくちゃね


「そうだね……じゃあ食べようか」


『それにしても………百合はいつもこんなところで食べてるんだね!』


真弥が屋上を見回しながら言った


「うん……眺めがいいから…」

俺はとっさに嘘を着いた


本当は誰もここに来る人はいないから


他の女子は大抵、人気のある男子の近くに行ってる


『でもびっくりしたぁ!』

真弥が言う


「……何が?」

俺は答えて欲しくないのになぜか聞いてしまう


そして真弥が言ってしまった


『だってついて来てみると、百合がいきなり男の子みたいな声出すんだもん!』


ばれてない……よな?


いっそここで全て行ってしまえば楽になる


でも離れていってしまうんではないか?


そう思うと言えない


そんな事を思っていたら


『そういえば…さっき中休みに話しているの聞いたんだけど……百合って好きな人はいないんだよね!?』


「うん?」

迫力に押されてちょっとびっくり


すると返事をした途端


『よかったぁー!』


大きな息とともに真弥が言った


「どうして?」


俺は聞いた、普段は大人しい真弥が大きな声を出したから


『へっ!?えっ!えっと……あの、ね?
好きな、人が出来たの…でも、同じクラスの人気の男の子だから……百合の事を好きなんじゃないかなって思って……
でも百合が好きじゃないんだったら頑張る!』


長い……


「頑張ってね!応援するよ!」


嘘……正直、仲良しな真弥でも、どうでもいいことだってある


俺は恋愛に興味はない


だからそのまま真弥が話しているのを聞かずに相づちだけを適当にうっていた